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投稿日:2020年07月29日
日時
2020/7/29
場所
zoom
講演者
本山裕一さん(東大物性研)

開催趣旨

テンソルネットワーク(TN)法は強力な表現・計算方法として近年ますます注目を集めている。たとえば量子格子模型では、波動関数の展開係数をテンソルの積として分解することで、少ない変数で精度良く(基底)波動関数を表現することを目指す。
TN を表現・操作するための様々なライブラリも公開されているが、しかし、簡単に試せるアプリや、大規模並列計算に対応したものはまだほとんど公開されていない。 そこで、我々はTN法に基づく二次元量子格子模型の基底状態ソルバとして、TeNeS (‘Te’nsor ‘Ne’twork ‘S’olver)を開発し、オープンソースソフトウェアとして公開した。
TeNeS は正方格子iTPS(iPEPS) を用いて波動関数を表現し、虚時間発展法を用いて基底状態を探索する。 正方格子iTPS に基づいているが、正方形の対角方向など長距離相互作用をとりいれることで、三角格子なども計算可能である。 また、任意の(二体)ハミルトニアンを対象としているが、特に三角格子や量子スピン系などの広く使われる格子や模型については、簡便な入力ファイルを用意するだけでよい。 さらに、内部では分散メモリ型テンソル演算ライブラリ mptensor を利用しており、ユーザは特別な指定なしに非自明大規模並列計算を実行できる。
本講演では、TeNeS の特徴・具体的な利用方法、計算例を紹介し、簡単なデモンストレーションを行う。

資料

二次元量子格子系テンソルネットワークソルバーパッケージ TeNeS