News - 論文

擬二次元有機伝導体β’-X[Pd(dmit)_2]_2塩(Xはカチオン)では、カチオンの種類を変更することで、反強磁性・スピン液体相などの磁気秩序状態が存在することが実験的に指摘されています。一方で、有機伝導体はファンデルワールス力により結合されていることから柔らかく、温度変化に敏感という性質があります。その一方で、低エネルギー有効模型を導出には、実験の結晶構造を用いるため、どの温度の結晶構造を用いたかの影響を受ける可能性があります。そこで、本論文では、室温・低温での結晶構造を含め網羅的に有効模型を構築し、温度依存性がどのように現れるかを調べました。また、厳密対角化法を用いることで磁気状態への影響についても解析しました。詳細は以下の論文をご覧ください。
K. Yoshimi, T. Tsumuraya and T. Misawa, Phys. Rev. Research 3, 043224 (2021) , “ab initio derivation and exact-diagonalization analysis of low-energy effective Hamiltonians for β’-X[Pd(dmit)_2]_2″.