DSQSSとは

DSQSSは, 連続虚数時間向き付きループアルゴリズムに基づく量子モンテカルロ法によって離散空間上で定義された量子多体問題を解くためのプログラム群です. 単位格子の情報, 2 体相互作用ハミルトニアンの行列要素などを入力ファイルとして広い範囲のモデルに対応しています. 例えば, 次元, 格子の1 辺の長さ, 相互作用の異方性, スピンの大きさ, 磁場の大きさ, 温度などのパラメータを任意にとって, XXZ ハイゼンベルクモデルの計算を行うことができます. また,ボーズ系のシミュレーションも可能です.大規模並列化に対応したプログラムPMWAも含まれています.

公式サイト

MateriApps: https://ma.issp.u-tokyo.ac.jp/app/171

GitHub: https://github.com/issp-center-dev/dsqss

利用環境

Linux/Cent OS上で要コンパイル.
物性研システムB「sekirei」,システムC「enaga」にはDSQSSがプリインストール済みです. 利用方法に関する詳細はこちらを参照してください.

対象となる物質・モデル

単位格子の情報、2体相互作用ハミルトニアンの行列要素などを入力ファイルとして、広い範囲のモデルに対応しています.

手法

ファインマン経路積分をワーム更新法でサンプリングする量子モンテカルロ法を使っています.

並列化対応

MPI並列に対応しています.

開発者

  • 加藤 康之(東京大学 工学系研究科)
  • 川島 直輝(東京大学 物性研究所)
  • 原田 健自(京都大学 情報学研究科)
  • 正木 晶子(理化学研究所)
  • 本山 裕一(東京大学 物性研究所)
  • 吉見 一慶(東京大学 物性研究所)
  • 坂倉 耕太(NEC)
  • 鈴木 隆史(兵庫県立大学 工学研究科)

開発協力者

  • 大久保 毅(東京大学 理学系研究科)
  • 加藤 岳生(東京大学 物性研究所)

ライセンス

GNU GPL version 3
本ソフトウェアの研究開発は、一部、次世代スパコンプロジェクト「次世代ナノ統合シミュレーション ソフトウェア研究開発」の援助によって行われました。また、バージョン 1.2.0, 2.0.0 は「2018年度 東京大学物性研究所 ソフトウェア開発・高度化プロジェクト」の支援を受け開発されました。ここに感謝の意を記します。

DSQSSを引用する際には、以下の文献を引用してください。 Y. Motoyama, K. Yoshimi, A. Masaki-Kato, T. Kato, and N. Kawashima, Comput. Phys. Commun. 264, 107944 (2021)

なお, 利用のための必須条件ではありませんが,利用実態を把握したいので, 科学計算などに使用した場合,関連公表論文の書誌情報などを アプリケーション管理者までお知らせ下さることを希望します.