TeNeSについて

TeNeSとは?

TeNeS はテンソルネットワーク法に基づく多体量子状態計算のためのオープンソースのプログラムパッケージです。格子上で定義された量子スピン模型の基底状態の波動関数を評価することができ、磁化や相関関数などの物理量を評価できます。あらかじめ定義された模型・格子に対しては、ユーザーが簡単に入力ファイルを作成するためのツールがあり、気軽に体験することができます。また、ユーザーが比較的簡単な入力ファイルから模型・格子を自分で定義できるツールも用意されており、これを利用することで様々な模型・格子系に対する計算が行うことができます。


ライセンス

GNU General Public License version 3
本ソフトウェアの一部はは2019年度 東京大学物性研究所 ソフトウェア高度化プロジェクトの支援を受け開発されています。
(*) TeNeSを引用する際には、以下のレポジトリのURLを記載してください
レポジトリ: https://github.com/issp-center-dev/TeNeS


利用環境

TeNeSをコンパイルするには以下のライブラリ・環境が必要です。

  1. C++11 compiler
  2. CMake (>=2.8.14)
  3. MPI と ScaLAPACK

TeNeSは以下のライブラリに依存していますが、自動でダウンロードおよびビルドがされます。

  1. mptensor
  2. cpptoml
  3. sanitizers-cmake

ScaLAPACKについては自身でインストールする必要があります。

また、入力ファイル作成ツール tenes_simple, tenes_stdの使用には以下のライブラリ・環境が必要です。

  1. Python (バージョン3以上での稼働を確認)
  2. numpy
  3. toml

開発者

TeNeS は以下のメンバーで開発しています。

  • ver. 1.0
    • 大久保 毅 (東京大学大学院 理学系研究科)
    • 森田 悟史 (東京大学 物性研究所)
    • 本山 裕一 (東京大学 物性研究所)
    • 吉見 一慶 (東京大学 物性研究所)
    • 加藤 岳生 (東京大学 物性研究所)
    • 川島 直輝 (東京大学 物性研究所)

参考文献

  • TeNeS で使用しているアルゴリズムについて紹介している資料については以下のものがあります。 アルゴリズムの詳細を知りたい方はぜひご覧ください。
    • テンソルネットワークに関する講義資料
    • Simple updateに関する論文
      • H. C. Jiang, Z. Y. Weng, and T. Xiang, Phys. Rev. Lett. 101, 090603 (2008).
    • Full updateに関する論文(CTMRGによる環境の評価を含む)
      • J. Jordan, R. Orús, G. Vidal, F. Verstraete, and J. I. Cirac, Phys. Rev. Lett. 101, 250602 (2008).
      • R. Orús and G. Vidal, Phys. Rev. B 80, 094403 (2009).
      • P. Corboz, T. M. Rice, and M. Troyer, Phys. Rev. Lett. 113, 046402 (2014).
    • Fast Full update, Gauge fixingについて
      • Ho N. Phien, Johann A. Bengua, Hoang D. Tuan, Philippe Corboz, and Román Orús Phys. Rev. B 92, 035142 (2015).
    • 参考になるレビュー
      • Román Orús, Annals of Physics, 349,117 (2014).
      • Román Orús, Nature Reviews Physics, 1, 538 (2019).