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イベント
投稿日:2021年10月18日
日時
2021/10/27(水) 16:00-17:00
場所
Zoomを利用したオンライン開催
2021年度第1回物性アプリオープンフォーラムを10/27(水) 16:00-17:00で開催する予定です。
セミナーの開催形式は、zoomの利用を検討しています。開催趣旨をご覧の上、興味をお持ちの方、また、お近くに興味をお持ちの方がおられましたら、
お誘い合わせの上ぜひご参加ください。
参加を希望される場合には、下記の参加申し込みボタンから申し込みをお願いします(10/26(火)締切予定)。

開催趣旨

タイトル:Population annealing Monte Carlo 法の紹介

講演者:本山 裕一氏(東大物性研)

概要

Simulated annealing (SA) は温度を少しずつ下げながら(アニールしながら)モンテカルロサンプリングを行うことで、低エネルギー状態を効率よく探索するアルゴリズムである。しかしながら、実際には温度を下げる瞬間は急冷となるため、温度ごとの平均値を取りたい場合には、各温度ごとに初期緩和を捨てなければならない。Annealed importance sampling (AIS)[1] は SA を拡張し、モンテカルロサンプリングに用いるものとは別に、適切な重み (Neal-Jarzynski 重み) を定義したアルゴリズムである。 多数のレプリカを並行してSA しつつ、レプリカ間の重み付き平均によって各温度でのカノニカル平均を求められる。Population annealing (PA)[2] はAIS を更に改良したアルゴリズムで、NJ 重みに従いレプリカのリサンプリングを行うことでレプリカ間の偏りを改善する。AIS やPA では、各レプリカの計算パラメータは同じであり、計算機資源が許す限り自由に並列数を増やせる。さらに、必要な通信はPA でのリサンプリングのみで、並列化が簡便である。また、独立なレプリカ群の計算を追加で行い、計算済みのものとあわせるような計算も容易である。特に、最終温度よりも低温の計算も、単純に計算の引き継ぎで行える。これらの特徴により、現代の大型計算機の能力を遺憾なく発揮させられる手法となっている。

本発表ではまず AIS と PA のアルゴリズムを解説した後に、実際の適用例を紹介する。また、PA を実装したライブラリとして、我々の開発しているpy2dmat についても紹介する[3,4] (py2dmat (2DMAT) は2020,2021 年度物性研ソフトウェア高度化プロジェクトの支援をうけている)。
[1] R. M. Neal, Statistics and Computing 11, 125-139 (2001).
[2] K. Hukushima and Y. Iba, AIP Conf. Proc. 690, 200 (2003).
[3] https://www.pasums.issp.u-tokyo.ac.jp/2dmat 
[4] https://github.com/issp-center-dev/2DMAT

 

参加申込

受付終了致しました。